「めっきの仕組みやメカニズムを勉強したい」
「そもそもめっきの役割は?」
「めっきの種類や使い分けを教えてほしい」
このような疑問を解決します。
こんにちは。機械設計エンジニアのはくです。
2019年に機械系の大学院を卒業し、現在はメーカーで機械設計エンジニアとして働いています。
本記事では「めっきの基礎」をわかりやすく解説します。
この記事を読むとわかること。
- めっきの役割・目的がわかる
- めっきの仕組みがわかる
- めっきの工程がわかる
- めっきの種類と使い分けがわかる
- めっき部品の設計ができるようになる
日用品から工業製品まで、様々なモノで使われている「めっき」。
ざっくりどんな処理かイメージできても、具体的な仕組みや処理工程はわからないという方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、めっきとは何かという説明から、めっきの仕組み・目的・種類をわかりやすくまとめました。
めっき処理について勉強したい方は、ぜひ記事の内容を参考にしてください。
めっきとは
めっきとは、部材の表面に金属を被覆する処理のこと。
日本に古くからある技術で、たとえば奈良(東大寺)の大仏は表面に金メッキが施されためっき品の代表例です。
現在では、食器や家具などの日用品から、自動車のような工業製品、スマホやパソコンに搭載される小さな電子部品まで、様々なモノに利用されています。
ちなみに、めっきはカタカナで「メッキ」と表記されることもありますが、外来語ではなく日本語です。
漢字では「鍍金(めっき)」、英語だと「coat・coating・plate・plating」などと表されます。
めっきの主な役割7つ
つづいて、めっきの役割を紹介します。
部材にめっき処理をする主な目的は、以下の7つ。
- 見栄えを良くする
- サビを防ぐ
- 耐食性を高める
- 耐摩耗性を良くする
- 電気伝導性を良くする
- はんだ付け性を良くする
- 耐熱性を高める
この他にも、熱伝導や熱吸収性などの熱的特性を高める、光の吸収・反射といった光的特性を高める、抗菌力を高めるといった機能を付加することもできます。
詳しくは下記記事で紹介しているので、ぜひ合わせて読んでみてください。
めっきの仕組み
めっきの仕組みは、水溶液を使わない乾式めっきと、水溶液を使う湿式めっきの2種類。
前者は半導体製造でよく使われるPVDやCVDなどの真空めっき、トタンやブリキの製造に使われる溶融めっきがあります。
一方、湿式めっきは、水溶液を使って金属の酸化・還元反応を利用するめっき法のこと。
電気を使う電気めっきと、電気を使わない無電解めっきの2種類があります。
下記記事では、この中でも主に電気めっきの仕組みと特徴を解説しています。
めっきの工程
めっき処理では、めっきの前後に行う前処理・後処理が重要です。
とくに、めっき不良の7〜8割は前処理が原因と言われるほど。
前処理の目的は、素材表面の汚れを除去し、めっきの密着性を良くすることです。
また、後処理ではめっきの密着性向上、変色防止、被膜欠陥の補修、耐食性向上などを目的としています。
めっきの種類
めっきにはたくさんの種類があり、素材や用途に応じて使い分けます。
電気めっきは、金属イオンに電子を与えて金属に還元する方法です。
したがって、イオン化しやすい金属をめっきするためにはより大きなエネルギーが必要で、イオン化傾向が大きくなるとめっきできなくなります。
具体的には、亜鉛までがめっきできる金属で、それよりイオン化傾向が大きいチタンやアルミニウム、マグネシウム、カルシウムなどは水溶液からはめっきできません。
下記記事では、めっきの種類と使い分けを解説しています。
まとめ:めっきの仕組みを理解して、使いこなそう!
以上、めっきの基礎知識として、目的・種類・仕組みをまとめて紹介しました。
それぞれの記事の内容はほんの基礎の部分です。
仕事で専門的に扱う方や、もっと深く勉強したいという方は、ぜひ自分で調べたり、参考書で勉強することをおすすめします!
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