「ニュートンの法則ってなんだっけ?」
「高校の授業で習ったけど、忘れてしまった…」
「機械力学にはどう関係があるの?」
このような疑問を解決します。
こんにちは。機械設計エンジニアのはくです。
2019年に機械系の大学院を卒業し、現在は機械設計士として働いています。
本記事では、機械力学を学ぶ第3ステップとして「ニュートンの運動3法則」について解説します。
この記事を読むとできるようになること。
- ニュートンの運動3法則がわかる
- 機械力学とニュートンの法則の関係がわかる
ニュートンの運動3法則は、機械力学の基本です。
高校や大学の授業でも習いますが、忘れてしまっている人も多いかと思いますので、ここでしっかり復習しておきましょう。
前回の記事はこちら
ニュートンの運動3法則とは
ニュートンの運動3法則とは、①慣性の法則、②運動の法則、③作用・反作用の法則のことです。
機械力学は、「機械が動くときの力と運動の関係を明らかにする学問」なので、このニュートンの法則がよく使われます。
第一法則:慣性の法則
物体(質点)に力が作用していない場合、物体の運動は変化しません。
これを慣性の法則と言います。
ここで、「運動が変化しない」=「止まる」ではありません。
もともと物体が静止している場合は、そのまま静止し続けます。
一方、物体が動いている場合は、止まるのではなく速度が一定のまま動き続けます(等速運動)。
つまり、「運動が変化しない」とは、「加速度が0である」ということです。
慣性の法則は、次に説明する2つの法則にもつながる原理です。
機械力学は、物体が動くときの力と運動の関係を明らかにする学問ですから、力が作用しないときは慣性の法則が、力が作用するときは運動の法則や作用・反作用の法則が必要になります。
第二法則:運動の法則
物体(質点)の加速度は、作用する力に比例し、向きは力の方向になります。
これを運動の法則と言います。
たとえば、自由落下する物体に働く加速度は、下図のようになります(重力加速度g[m/s2])。
また、物体の質量をm[kg]、物体に働く力をF[N]、物体の加速度をa[m/s2]としたときの運動の法則を表す式が運動方程式です。
F = ma
機械力学では、この運動方程式がよく出てきます。
物体の速度や加速度を求めるとき、あるいはモータのような回転運動をする物体の角速度を求めるときなどに役立ちます。
第三法則:作用・反作用の法則
物体(質点)に力を加えると、同じ大きさで同一直線上に反対向きの反力が発生します。
これを作用・反作用の法則と言います。
作用・反作用の法則は、力のつり合いを考えるときにも役立ちます。
たとえば、地面に置かれた物体が静止しているのは、物体に働く重力(作用力)と、床から受ける反力(反作用力)がつり合っているからです。
また、物体を引っ張っても動かないとき、引っ張る力(作用力)と、床からの摩擦力(反作用力)がつり合っています。
このように、作用・反作用の法則は、力が働いている物体の運動を理解するのに役立ちます。
機械力学では、物体にどういう力が働いて、静止するのか・動くのかを理解することが大切です。
まとめ:ニュートンの法則は機械力学の基本
記事のポイントをまとめます。
- ニュートンの運動3法則とは、①慣性の法則、②運動の法則、③作用・反作用の法則のこと
- 物体に力が作用していない場合、物体の運動は変化しない(慣性の法則)
- 物体の加速度は、作用する力に比例し、向きは力の方向になる(運動の法則)
- 物体に力を加えると、同じ大きさで同一直線上に反対向きの反力が発生する(作用・反作用の法則)
以上です。
機械力学は、機械の力と運動の関係を明らかにする学問です。
したがって、今回紹介したニュートンの運動3法則は機械力学の基本となります。
「授業で習ったけど忘れてしまった」という方は、ぜひ本記事で復習しておきましょう!
次の記事はこちら。
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