「ばねってどんな種類があるの?」
「それぞれの特徴と用途を教えてほしい」
「適切なばねを選定できるようになりたい」
このような疑問や悩みを解決します。
こんにちは。機械設計エンジニアのはくです。
2019年に機械系の大学院を卒業し、現在は機械設計士として働いています。
本記事では「ばねの種類と特徴」をわかりやすく解説します。
この記事を読むとできるようになること。
- ばねの種類と特徴がわかる
- 用途に応じて適切なばねを選定できるようになる
ねじと同様、ばねは機械設計でよく使われる部品です。
一言で「ばね」と言っても、一般的なコイルばねから、板ばね、皿ばね、トーションバー、、、など様々な種類があるので、用途に応じて適切に選定する必要があります。
本記事では、そんなばねの種類と特徴を用途別にわかりやすく解説するので、ぜひ参考にしてください。
ばねの種類と特徴
今回は7種類のばねの用途と特徴を紹介します。
もちろん、すべて覚える必要はないので、まずは参考程度に見ておくのがおすすめ。
知っておくと、実際の設計でばねを選定するとき役に立つはずです。
コイルばね
コイルばねは、材料がらせん状に巻かれたばねです。
日常生活でもよく目にするので、一般的に「ばね」と言うと、このコイルばねを想像する人も多いと思いでしょう。
機械設計でも様々な用途に使われており、例えば小さいものはボールペンの芯に、大きなものは自動車のサスペンションという部品や建設機械のリコイルスプリングとして使われています。
サスペンション(懸架装置)とは
路面の凹凸が車体に伝わらないようにするための部品で、車の乗り心地や操縦安定性を向上させる目的。
コイルばねを使って凹凸による衝撃を吸収している。
板ばね
板ばね、文字通り「板状」の材料をばねとして使うものです。
たとえば、定規を曲げようと力を加えると、反発力が生まれますよね。
このように板の反発力を利用するのが板ばねです。
コイルばねと同様に日常生活から機械部品まで幅広く使われており、1枚単体で使う「薄板ばね」のほか、長さの異なる板ばねを複数枚重ね合わせて使う「重ね板ばね」があります。
重ね板ばねは、主にトラックのサスペンション用のばねとして用いられています。
トーションバー
トーションバーは、先ほどの板ばねとは違い棒に「ねじり」を加えた時に発生する戻り力を利用したばねです。
ちなみに、「トーション(torsion)」は「ねじれ・捻転(ねんてん)」という意味。
スノーボードでトリック(技)をする際、板をねじる動きを「トーション」と言ったりします。
トーションバーは、自動車のサスペンションでコイルばねを使わない「トーションバー式サスペンション」などに用いられています。
皿ばね
皿ばねは、中心に穴のあいた円板を円錐状に加工したばね。
もう少しわかりやすく言うと、平ワッシャーを真ん中が凹むよう皿型にたわませた形状のばねです。
単体で使うだけでなく、複数枚を重ね合わせて使うこともできるのが特徴で、ねじの緩み止めや自動車のトランスミッションにおける衝撃吸収の目的などで用いられています。
渦巻きばね(ぜんまいばね)
渦巻きばねは、文字通り材料を「渦巻き」状に巻いたばねです。
ばねの端を引っ張った時もとに戻ろうとする力を利用します。
代表的な用途は、自動車のシートベルトや巻き尺などです。
竹の子ばね
竹の子ばねは、長方形断面の板を円錐状に巻いた竹の子形状のばねです。
ポスターやコピー用紙をクルクル巻いていって、芯がずれていった形状と言うとわかりやすいでしょう。
小さな容積で大きな荷重を吸収できるのが特徴で、物体が落下・衝突したときの衝撃吸収の用途として用いられています。
輪ばね
輪ばねは、円錐面を持った内輪と外輪を重ね合わせた形状のばねです。
ばねを圧縮していくと円錐面ですべりが生じ、摩擦としてエネルギーを吸収します。
小さい容積で非常に大きなエネルギーを吸収できるのが特徴で、鉄道車両の連結器の緩衝用ばねとして用いられています。
まとめ:用途に応じて適切な「ばね」を使い分けよう
以上、ばねの種類と特徴を用途別に解説しました。
「ばね」は、エネルギーを吸収・生み出すことができるのが特徴で、身の回りのあらゆる製品に使われています。
様々な機械部品に広く用いられているので、機械設計においても「ばね」の知識は必須。
用途に合わせて適切なばねを選定するためには、まずばねの種類と特徴を理解しておくことが大切なので、ぜひ今回の記事を参考に仕事に役立てていただければ幸いです!
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