「機械工学の4大力学って何のこと?」
「機械設計の仕事には4つ全部必要?」
「4大力学のおすすめの勉強方法があれば知りたい…!」
このような疑問や悩みにお答えします。
こんにちは。機械設計エンジニアのはくです。
2019年に機械系の大学院を卒業し、現在は製造装置メーカーで機械設計士として働いています。
今回は機械工学の基礎である「4大力学(よんりき)」について解説します。
4大力学とは何かという話から、機械設計の仕事にどう役立つか、おすすめの勉強法まで、わかりやすくまとめました。
この記事を読めば4大力学の基礎が身につき、機械設計の仕事にも活かせるはず。
機械系の学生さんや、若手設計士の方にぜひ読んでもらいたい内容です。
4大力学とは?
機械工学における4大力学とは、材料力学・熱力学・流体力学・機械力学の4つを指します。
それぞれの特徴は、ざっくり下記のとおり。
- 材料力学:材料の変形や強度を知るための学問。材料選定や強度計算をする際に使う。
- 熱力学:熱エネルギーを仕事に変換するための学問。熱が発生する製品の設計で使う。
- 流体力学:流体の運動を知るための学問。液体・気体を利用した製品の設計で使う。
- 機械力学:機械が動くときの力と運動の関係を知るための学問。「動く機械」を設計する際に使う。
大学で機械系の学科に入ると、この4大力学を授業で必ず勉強します。
また、機械設計の仕事においても絶対に使う知識です。
たとえば、自動車はガソリンや空気の流れを流体力学で計算します。
エンジンの燃焼によるエネルギー効率は、熱力学で計算できます。
また、エンジン本体は、適切な強度の材料を選定する必要があります(材料力学)。
さらに、エンジンの燃焼によって得られたエネルギーは、クランクシャフトという部品を使って回転運動に変換されてタイヤを動かします(機械力学)。
このように、僕たちの身の回りにある機械や製品は、4大力学の知識を使って設計されています。
機械設計の仕事に就きたいなら、4大力学をきちんと理解している必要があるのです。
4大力学を勉強するならこの順番
四力(よんりき)とは何かがわかったところで、具体的な勉強方法について説明します。
「勉強するならこの順番がおすすめ」といった形で紹介しているので、「何から勉強したらいいかわからない」という方は、ぜひ本記事を使って勉強してみてください。
材料力学のおすすめ勉強法
材料力学は、材料の強度や変形、破壊について知るための学問です。
たとえば、椅子1つ設計する場合でも、材料の強度、重量、コストなど、様々な要素を考慮する必要があります。
材料力学の知識があれば、「軽くしたいからアルミを使う」「耐熱性が必要だから樹脂を使う」「耐食性が必要だからステンレスを使う」といったように、要求仕様に応じて適切な材料・形状で設計できるようになるでしょう。
熱力学のおすすめ勉強法
熱力学は、熱エネルギーを機械的な仕事に変換するための学問です。
たとえば、自動車のエンジンは、熱エネルギーをいかに効率よく力学的エネルギーに変換するか(熱効率)が重要です。
熱効率が悪いと、燃費が悪くなって車が売れなくなります。
他にも冷蔵庫やクーラー、熱気球、鍋、フライパンなど、熱力学を利用した製品は身の回りにたくさんあります。
熱力学を勉強することで、熱エネルギーを効率よく仕事に変換するにはどうすればいいかが理解できるでしょう。
流体力学のおすすめ勉強法
流体力学は、流れる物体(液体・気体)の運動を知るための学問です。
たとえば、水道管の設計では、配管経路や形状による「圧力損失」というものを計算します。
圧力損失が大きいと、水を流すための力が足りず、蛇口をひねっても水が出ないといった事態が発生してしまうからです。
他にも、液体や気体を利用した製品では、流体力学の知識を使ったモノがたくさんあります。
流体力学を勉強することで、液体・気体の性質がわかり、機能に応じて最適な製品を設計できるようになるでしょう。
機械力学のおすすめ勉強法
機械力学は、機械が動くときの力と運動の関係を知るための学問です。
具体的には、仕事の原理や運動方程式など、高校の物理で勉強した定理をよく使います。
たとえば、自転車はギアとチェーンを使って、人が漕いだ力をタイヤの回転運動に変換して進むことができます。
運動方程式やギア比を計算して、適切な部品をすることが重要です。
機械力学を勉強することで、機械が動く仕組みがわかり適切な部品を選定できるようになります。
まとめ:4大力学の勉強は機械設計の仕事に必須
以上、機械工学における4大力学の勉強法を紹介しました。
本ブログで紹介しているのは、どちらかというと基礎的な内容です。
4大力学の基礎が一通り身についたら、仕事内容に合わせて、より専門的な内容も勉強していくといいでしょう。
4大力学は機械設計の仕事に必須の知識です。
基礎をしっかり身につけて、ぜひ1人前の機械設士を目指してください!
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