「めっきの種類ってどんなのがある?」
「それぞれの用途や特徴も知りたい」
このような疑問を解決します。
こんにちは。機械設計エンジニアのはくです。
2019年に機械系の大学院を卒業し、現在はメーカーで機械設計エンジニアとして働いています。
本記事では、めっき学習の第4ステップとして「めっきの種類と使い分け」を解説します。
この記事を読むとわかること。
- めっきの種類と特徴がわかる
- 用途別にめっきの使い分けができる
めっきには、見た目を良くする、耐食性を高める、電気伝導性を良くする、はんだ付け性を良くする、、、など様々な目的があります。
したがって、めっきは用途に応じて適切に使い分けられることが大切。
そこで今回は、めっきの種類と特徴を用途別にわかりやすく解説します。
めっきの種類と使い分けが知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
めっきの種類
今回は、めっきの中でもよく使われる7種類を紹介します。
それぞれの特徴と、どういう用途で使われているかをチェックしてみてください。
①銅めっき
銅は電気伝導性・熱伝導性に優れており、電気や熱をよく伝えます。
そのため、銅めっきはプリント配線板のパターンめっきや、プラスチックへの熱膨張緩衝の目的で多用されます。
また、光沢・レベリング作用(平滑化)にも優れており、装飾用の下地めっきとしても使われます。
ただし、銅めっきは腐食、変色しやすいので、変色防止処理が必要です。
②ニッケルめっき
ニッケルは、腐食しにくい、融点が高いなどの特徴があります。
また、添加剤を付与することで光沢やつや消しなどの特性を与えることも可能です。
したがって、ニッケルめっきは耐食性、耐熱性、光沢性に優れるのが特徴。
装飾、防食用の下地めっきとして最もよく使われています。
③クロムめっき
クロムめっきは、銅やニッケルめっきを下地とした仕上げの最上層めっきとして、装飾、防食も目的で使用されます。
皮膜が硬く安定で、腐食や変色が起きにくいのが特徴。
また、皮膜の内部応力が強く耐摩耗性にすぐれるため、工業用クロムめっきとしても使用されています。
④亜鉛めっき
亜鉛は鉄をサビから守る防錆めっきとして、最もよく使われるめっきです。
鉄よりもイオン化傾向が大きく腐食しやすいので、鉄よりも先に腐食することで鉄をサビから守ります(犠牲防食作用)。
実際には、めっき後にクロメート処理を行うことで亜鉛の腐食を防ぎ、長期間鉄をサビ・腐食から守るという仕組みです。
⑤スズめっき
スズは、めっきできる金属の中で最も融点が低い金属です。
したがって、スズめっきははんだ付け性を付与する目的で、電子部品の接合部に多用されます。
⑥金めっき
金は耐食性がきわめて良く、腐食や変色を起こしません。
見た目も美しいため、金めっきは装飾用として幅広く用いられています。
また、金は電気伝導性にすぐれるのも特徴。
そのため、電子基板や半導体、はんだ接合部などにも多用されています。
⑦銀めっき
銀は、金属の中で最も電気伝導性がよい物質です。
そのため、電子部品の基板や接点部品などに広く利用されています。
また、銀めっきは白色の光沢を持ち、見た目が美しいのも特徴。
食器やアクセサリーなどの装飾めっきとしても用いられます。
ただし、変色しやすいのがデメリット。
そのため、クロメート処理やロジウムめっきといった変色防止処理が必要になります。
その他のめっき
さいごに、おまけとしてその他のめっきを簡単に紹介します。
- ロジウムめっき・・・装飾性、耐食性、耐熱性、耐摩耗性向上
- ストライクめっき・・・密着性向上、表面調整
- 梨地めっき・・・光沢感
- 無電解ニッケルめっき・・・耐食性、耐摩耗性、硬度向上など
まとめ:用途に応じて適切なめっきを使い分けよう!
以上、代表的な電気めっきを全部で7種類紹介しました。
めっきは、めっきする部品の素材や用途によって、適切に使い分ける必要があります。
今回紹介したのはほんの一部なので、興味がある方はぜひ自分でも調べてみると勉強になりますよ!
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