「圧力損失ってなに?」
「圧力損失があると何がダメなの?」
「具体的な計算方法が知りたい…!」
このような疑問を解決します。
こんにちは。機械設計エンジニアのはくです。
2019年に機械系の大学院を卒業し、現在は機械設計士として働いています。
本記事では、流体力学を学ぶ第7ステップとして「圧力損失」について解説します。
この記事を読むとできるようになること。
- 圧力損失とは何かがわかる
- 圧力損失の計算方法がわかる
水道配管やガス配管などの配管設計をする場合は、流体の圧力損失を計算する必要があります。
使用環境や用途にもよりますが、基本的に圧力損失の少ない配管を設計するのが、僕たち機械設計エンジニアの仕事です。
今回は、「圧力損失とは何か」という話から、具体的な計算方法まで絵付きでわかりやすく解説するので、ぜひ参考にしてください。
前回の記事はこちら
圧力損失とは
配管に液体が流れると、上流側に比べて下流側は水圧が低下します。
たとえば下図では、位置1に比べて位置2で圧力が⊿pだけ低下します。
このとき、位置1と2の差圧⊿pが圧力損失です。
圧力損失があると何がダメ?
圧力損失が大きいということは、流体が流れにくいということです。
配管を流れる流体には常に圧力がかかっており、この圧力エネルギーによって流体が動かされます。
したがって、圧力損失が大きい配管では、下流にいくにつれて圧力エネルギーは小さくなり、流体が流れにくくなるのです。
経路の長い配管で圧力損失が大きいと、下流まで液体が流れないといった事態が発生してしまいます。
圧力損失に影響する要因には、様々なものがあります。
たとえば、配管の断面積を大きくすると流体は流れやすくなり、断面積を小さくすると流れにくくなります。
したがって、配管径や断面積は圧力損失の大きさに影響します。
また、配管内面の粗さも圧力損失に影響します。
内面が粗く凸凹がある配管だと、流体は流れにくくなるためです。
ほかにも、圧力損失に影響する要因としては、流体の種類や流速、配管の長さなどがあります。
圧力損失の計算方法
直管の圧力損失⊿P(Pa)は、下記のファニングの式を使って計算できます。
⊿P = λLρu2 / 2D
(λ:管摩擦係数(-)、 L:配管長さ(m)、 ρ:流体の密度(kg/m3)、 u:流速(m/s)、 D:配管径(m))
ちなみに、流量をQ(m3/s)とすると、流速u(m/s)は以下の式で求められます。
u = 4Q/πD2
上記で求められるのは、直管における圧力損失です。
配管が曲がる部分や配管径が変わる部分では、別途圧力損失の計算が必要になります。
詳しくは、別の記事で解説する予定です。
まとめ:圧力損失を計算してみよう
記事の内容をまとめます。
- 配管内の上流と下流の圧力差が圧力損失
- 圧力損失が大きいと、流体が流れにくくなる
- 圧力損失はファニングの式で計算できる
以上です。
配管設計をするときは、今回解説した圧力損失を考慮することが大切。
「計算方法がわからなかった」という方は、ぜひ今回の内容を参考に、一度自分の手で計算してみてください。
次の記事はこちら。
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