「溶接記号の書き方が知りたい」
「溶接部品を設計する時の注意点は…?」
このような疑問を解決します。
こんにちは。機械設計エンジニアのはくです。
2019年に機械系の大学院を卒業し、現在はメーカーで機械設計エンジニアとして働いています。
本記事では、「溶接記号の読み方・書き方」を解説します。
この記事を読むとわかること。
- 溶接記号の読み方・書き方がわかる
- 記号の意味がわかる
- 図面のルールがわかる
溶接記号の読み・書きは、設計者と溶接作業者どちらにも必須の知識。
図面を通して、双方の意図がきちんと伝わっていないと、溶接不良や寸法精度の悪化につながってしまいます。
そこで本記事では、溶接記号の読み方・書き方をわかりやすく解説します。
溶接の勉強をしている方は、ぜひ参考にしてください。
溶接記号の読み方
溶接記号の基本構成は、上図のとおり。
①〜④は、それぞれ以下の意味を表します。
- ①矢:溶接する箇所を指し示す
- ②基線:溶接の向きや寸法を指示するための基準線
- ③溶接部記号:溶接部の形状を指示するもので、基本記号・組合せ記号・補助記号の3つからなる
- ④尾:何か特別な指示がある場合に記載する
溶接記号の書き方
溶接記号の書き方には、以下のルールがあります。
これを理解していないと、溶接する箇所が反転してしまう可能性があるので注意が必要です。
- A:溶接する箇所が矢の側の場合、溶接部記号は基線の下側に記載する
- B:溶接する箇所が矢の反対側の場合、溶接部記号は基線の上側に記載する
- C:溶接部が母材同士の接触面の場合、溶接部記号は基線をまたいで記載する
溶接部記号の一覧
溶接部記号は、溶接部の形状を指示するための記号です。
必要に応じて、組合せ記号や補助記号を記載します。
また、下記に各記号の簡単な説明を載せておきます。
開先
母材同士を突き合わせて溶接する際、溶接部に加工する溝形状のこと。
I形開先、V形開先、レ形開先、、、などの種類があり、接合面積が変わるので強度を調整できる。
すみ肉溶接
母材を重ねた隅部に溶接する方法。
母材間にすき間ができるため、開先溶接よりも強度は劣る。
全周溶接
接合部をすべて溶接する指示。
一部のみ溶接するのに比べて強度は上がるが、作業時間の増加やコストアップにつながる。
裏波溶接
溶接面の裏側にも溶接ビードを出す方法。
裏側にも継ぎ目ができないので、ゴミが溜まりにくいというメリットがある。
まとめ:溶接記号を正しく使いこなそう!
以上、溶接記号の読み方・書き方を紹介しました。
冒頭でも言ったとおり、溶接記号のルールは、設計者・作業者の双方が理解している必要があります。
図面の読み書きが正しくできれば、製品の不良を減らせて、品質改善にもつながるはず。
溶接記号がよくわからないという方は、ぜひ今回の内容を参考に勉強してみてください!
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