「渦ってどういう現象?」
「自由渦と強制渦は何が違うの?」
「飛行機が飛べるのは渦のおかげってどういうこと?」
このような疑問を解決します。
こんにちは。機械設計エンジニアのはくです。
2019年に機械系の大学院を卒業し、現在は機械設計士として働いています。
本記事では、流体力学を学ぶ第5ステップとして「渦」について解説します。
この記事を読むとできるようになること。
- 渦とはどういう現象かがわかる
- 自由渦と強制渦の違いがわかる
- 飛行機が飛ぶ原理がわかる
飛行機の周りを流れる空気や、野球のピッチャーが投げたボールの周りの空気では、渦が発生しています。
渦によって飛行機は揚力(機体を浮かせる力)が発生して飛ぶことができ、野球のボールはカーブやナックルなどの変化球となるのです。
したがって、渦を理解すれば、身の回りの様々な現象を流体力学で説明することができます。
機械設計の仕事でも役に立つ知識ですので、ぜひここで理解しておきましょう。
前回の記事はこちら
渦とは

渦とは、流線が同心円上に回転している流れのことです。
海で発生する渦潮や、台風、竜巻、洗濯機の中の水など、身の回りの様々なシーンで渦を見つけることができます。
ここで、渦は自由渦と強制渦に分けられます。
自由渦は自然界に見られる渦、強制渦は流体に外部から力を加えて発生する渦のこと。
さきほどの例で言うと、渦潮や台風など自然に発生するのが自由渦、洗濯機の中の水のように強制的に発生させるのが強制渦です。

飛行機の翼まわりに発生する渦

ここで、機械設計に関係する渦の例として、飛行機の翼まわりの流れを見てみます。
飛行機は、翼の上下で流速差を生じさせることで揚力を生み出しています。
具体的に説明すると、翼の上方では流速が速く、下方では流速が遅くなっています。
したがって、ベルヌーイの定理から翼の上下で圧力差が生まれ、上向きの力が発生するのです。
この力が揚力となって、機体を浮かせます。

ここで、翼上下の流速差を生じさせているのが、翼まわりの渦です。
飛行機の翼は、図のように上方が少し膨らんだような形状をしています。
この形状と翼の角度によって渦を発生させ,上方の流れが加速されるような循環流を生成しているのです。
その結果、翼の上下に圧力差がもたらされ,揚力となって機体を浮かせます。
実際に、飛行機の後方を見ると渦が発生しているのがわかります。
YouTubeなどで動画が上がっているので、興味がある方は見てみてください。
まとめ:渦は身の回りにたくさんある

記事の内容をまとめます。
- 渦とは、流線が同心円上に回転している流れのこと
- 自然に発生するのが自由渦、流体に外部から力を加えて発生させるのが強制渦
- 飛行機は翼の形状と角度により渦を発生させて飛んでいる
以上です。
渦は、僕たちの身の回りにもたくさん存在しています。
今回紹介したのはほんの触りですが、飛行機が飛ぶ原理のように、突き詰めれば様々な技術にも応用できるでしょう。
「もっと勉強してみたい」と思った方は、ぜひネットや参考書などで調べてみることをおすすめします!
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