「層流と乱流って何が違うの?」
「レイノルズ数ってなんだっけ?」
「身近な例だとどんな流れがある?」
このような疑問を解決します。
こんにちは。機械設計エンジニアのはくです。
2019年に機械系の大学院を卒業し、現在は機械設計士として働いています。
本記事では、流体力学を学ぶ第6ステップとして「層流と乱流とレイノルズ数」について解説します。
この記事を読むとできるようになること。
- 層流と乱流の違いがわかる
- レイノルズ数とは何かがわかる
- 層流と乱流の見分け方がわかる
層流と乱流は、レイノルズ数によって見分けることができます。
記事の中では、レイノルズ数とは何かということから、層流と乱流の違いや見分け方をわかりやすく解説していきますので、ぜひ理解できるようになってください。
前回の記事はこちら
層流と乱流
流体が規則正しく流れている流れを層流、不規則に乱れている流れを乱流と言います。
たとえば、川の流れは、川幅の広いところではゆったりと流れて乱れがほとんどありませんが、川幅が狭くなると流れが速くなり乱れも発生します。
したがって、前者が層流、後者が乱流です。
他にも、層流と乱流の身近な例として、水道の蛇口からでる水があります。
蛇口を小さく開けると水は規則正しく流れますが(層流)、開ける量を大きくしていくと流量が増えて流れが乱れます(乱流)。
このように、層流と乱流は見た目でわかることも多いですが、流体力学的には、次に紹介するレイノルズ数を使って判断します。
レイノルズ数とは
レイノルズ数Reは、以下の式で表される無次元量です。
Re = ρUd/μ
(ρ:流体の密度(kg/m3)、 u:流速(m/s)、 d:管の内径(m)、 μ:粘性係数(Pa・s))
イギリスの物理学者オズボーン・レイノルズは、流体の乱れの発生が流体の密度ρ(kg/m3)、流速u(m/s)、管の内径d(m)、流体の粘性係数μ(Pa・s)に関係していることを発見しました。
そして、実験から流体の乱れが発生するのは、上記の式で表されるレイノルズ数Reが2310以上の領域であることを見出します。
この数値2310は、臨界レイノルズ数Recと定義されています。
Rec = 2310
流体力学では、流れが層流か乱流かによって、適用できる数式や値が違ってきます。
したがって、機械設計の仕事で流体力学を扱う場合は、流れが層流か乱流かをレイノルズ数によって判断し、適切な式や条件を当てはめることが重要です。
まとめ:層流と乱流はレイノルズ数で見分けられる
記事のポイントをまとめます。
- 層流とは、流体が規則正しく流れている流れのこと
- 乱流とは、流体が不規則に乱れている流れのこと
- 層流と乱流はレイノルズ数によって見分けることができる
- 乱流はレイノルズ数Re2310以上で発生する
- Re=2310を臨界レイノルズ数Recと定義する
以上です。
層流と乱流はレイノルズ数を計算することで判断できます。
機械設計の仕事で流体力学を扱う場合は、レイノルズ数によって層流と乱流を見分け、適切な式や条件を当てはめることが重要です。
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