「ねじってどんな種類があるの?」
「それぞれの特徴と用途を教えてほしい」
「適切なねじを選定できるようになりたい」
このような疑問や悩みを解決します。
こんにちは。機械設計エンジニアのはくです。
2019年に機械系の大学院を卒業し、現在は機械設計士として働いています。
本記事では、ねじの基礎知識を学ぶ第1ステップとして「ねじの種類と特徴」をわかりやすく解説します。
この記事を読むとできるようになること。
- ねじの種類と特徴がわかる
- 用途に応じて適切なねじを選定できるようになる
機械要素の中でも、最も身近でよく使われるのが「ねじ」。
部品同士を締結する際には、必ずと言っていいほどねじが使われます。
今回は、そんなねじの種類と特徴、用途をわかりやすく解説します。
ぜひ参考にしてください。
ねじの各部の名称
機械設計の仕事では、「呼び径」とか「ピッチ」などのねじに関する用語がよく使われます。
「先輩が何を言っているのかわからない…」とならないためにも、きちんと理解しておきましょう。
ねじの各部の名称は上記のとおり。
ねじ山とねじ山の間隔が「ねじピッチP」、ねじの外径が「呼び径D」、内径(溝径)が「谷径」です。
「M4ねじ」「M6ねじ」という時の数字は呼び径を表しますから、たとえばM6は「外径が6mmのねじ」を指します。
めねじ(ねじ穴)も同様に「呼び径」「谷径」があり、おねじとめねじがかみ合う時の中心の径を「有効径」と言います。
ちなみに、ねじ山の頂点は平坦、溝は円弧になっています。
ねじの長さは、「頭部高さ」と「首下長さ」、および「ねじ部長さ」で表されます。
全ねじの場合は「首下長さ=ねじ長さ」ですが、半ねじの場合は「首下長さ>ねじ部長さ」です。
ねじを選定する場合は、ねじで固定する部品の寸法から、最適なねじ長さのねじを選定する必要があります。
ねじの種類と用途
ねじは、「締結用ねじ」「運動用ねじ」「調整用ねじ」「測定用ねじ」の4種類に大きく分かれます。
締結用ねじ
複数の部品を締結するためのねじです。
みなさんが一般的にイメージする部品を固定するねじは、こちらになります。
運動用ねじ(ボールねじ)
運動用ねじは、回転運動を直線運動に変換するねじです。
たとえば、ロボットのアームは、モータの回転をボールねじで直線運動に変換することで上下に動いています。
ボールねじは、締結用ねじのように固定するわけではなく、常に動くことが求められます。
したがって、ねじ部の摩擦力を小さくする必要があり、ボールを使ってねじ部を転がり接触にし摩擦抵抗を減らしています。
調整用ねじ
調整用ねじは、机や棚の脚についているねじです。
ねじを回すことで高さを調整でき、高さ調整や水平を出すために用いられます。
ねじは1回転で1ピッチ分進みますから、細かい高さを調整するのに向いているのです。
測定用ねじ
マイクロメータなどについている長さを測定するためのねじです。
さきほどの調整用ねじと同様、1回転で1ピッチしか進まないことを利用して、精密な測定をする際に使われています。
まとめ:用途に応じて適切な種類のねじを使い分けよう
以上、ねじの種類と用途、各部の名称を解説しました。
身の回りのあらゆる製品は、「ねじ」を使って固定されています。
したがって、機械設計をやるうえでは「ねじ」の知識は必須。
用途に合わせて適切なねじを選定するためには、ねじの種類以外にも強度計算や緩み防止対策が必要になりますので、合わせて勉強しておくと役に立つでしょう。
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