「機械エンジニアとして就職したけど、いまいち仕事が上手くいかない」
「これから機械設計の仕事に就職・転職するから、必要なスキルが知りたい」
このような悩みを持っている方向けの記事です。
本記事では、現役メカエンジニアの僕が「機械設計に必要なスキルとその鍛え方」を解説します。
ここで紹介する方法を実践すれば、一人前の機械設計士に近づけるはずです。
機械設計エンジニアに必要なスキルは2種類ある
機械設計エンジニアの仕事では、「機械設計の知識」と「エンジニアとしてのスキル」の2つが重要です。
順番に解説していきます。
機械設計の知識
機械設計の知識というのは、大学の機械工学科で習う「4大力学(材料力学・熱力学・流体力学・機械力学)」のことです。
僕自身、大学時代は「つまらないなぁ」と思いながら勉強していましたが、実際に機械エンジニアとして就職するとメチャクチャ使います。
たとえば、製品の強度計算をする場合は材料力学の知識を使いますし、「何ワットの発熱で温度が何℃になるか」といったシミュレーションをする場合は熱力学の知識が必要です。
設計する製品の種類や使用条件によって差はありますが、材料力学・熱力学・流体力学・機械力学の4つの知識はきちんと勉強しておくことをおすすめします。
また、実際の仕事では4大力学に加えて図面の書き方やCADの使い方、さらには機械要素や加工方法、材料特性についての知識も必要です。
製図やCADは慣れればカンタンですが、機械加工や材料の知識はある程度の経験が必要になってきます。
かくいう僕も経験が少ないので、まだまだ勉強することが多いのが本音です。
エンジニアとしてのスキル
2つ目はエンジニアとしてのスキルです。
具体的にはコミュニケーション力、考える力、質問力など。
機械設計の仕事はコミュニケーションが頻繁に発生します。
たとえば、たった1箇所設計を変更するだけでも上司や関連部署、あるいはお客さんにきちんと相談する必要があります。
僕自身かなりコミュ障なので苦労していますが、コミュ力は機械エンジニアに必須のスキルです。
また、「考える力」も非常に大切です。
新人だからといって何でもかんでも先輩に聞いて決めるのではなく、自分で考えて判断する能力が求められます。
機械設計は「ものづくり」という仕事柄か、「質問する前に自分で考えろ」というマインドの人が多いです。
何でもかんでも質問していると「エンジニアなんだからちょっとは自分で考えろ」と言われてしまいますので、考える力は機械エンジニアに必須のスキルです。
機械設計エンジニアに必要なスキルを鍛える方法3つ
ここからは現役メカエンジニアの僕が実践している、「考える力」と「質問力」を鍛える方法を3つ紹介します。
その1:スタートとゴールを確認する
仕事を任されたら、まずスタートとゴールを確認します。
そうすることで、ゴール(目標)を達成するために何をすればいいかが見えてくるからです。
たとえば僕は、入社1年目のころに製品の駆動部の設計を任されました。
この場合まず確認するのは、現状どういう設計(スタート)で、どういう要求仕様があるか(ゴール)です。
具体的には、「今使っているモーターの大きさが200mm(スタート)だけど、スペースが狭いから100mm以内に収めたい(ゴール)」といった感じ。
スタートとゴールを明確にすることで、次に自分が何をすればいいかがわかり、「何をすればいいですか」といった上司に嫌がられるような質問がなくなります。
その2:疑問点を洗い出す
スタートとゴールを確認したら、疑問点を洗い出します。
さきほどの例で言うと、モーターは何を使っているか、なぜ100mm以内に収めたいか、他に要求仕様はないか、、、など。
検討を進めていくうえで気になる点を書き出して、わからないところは担当者や先輩に確認します。
その3:「自分はこう思うけどどうですか?」と質問する
設計が進んでいくと、新たに問題が出てくると思います。
そういった時はすぐに先輩に助けを求めるのではなく、「どうすれば解決できるか」をまず自分で考えてから質問するようにしています。
具体的には、「この時のここが問題で、私はこうすればいいと思うのでしょうが、いかがでしょうか?」」といった感じ。
自分の意見を伝えることで、相談された先輩もアドバイスしやすくなるはずです。
一人前の機械設計エンジニアになるためには
さいごに、記事の内容をまとめます。
- 機械設計エンジニアに必要なのは「機械設計の知識」と「エンジニアとしてのスキル」
- 機械設計の知識には、4大力学の他に製図やCADの操作、機械加工や機械要素、材料についての知識がある
- エンジニアとしてのスキルではコミュニケーション力や考える力、質問力が大切
以上です。
機械設計は、幅広い分野の知識とスキルが必要です。
今回紹介した項目を、一度に全て鍛えようとするのはおすすめできません。
まずは今のあなたの仕事や担当プロジェクトに関係のあるジャンル・能力から勉強していくのがおすすめですよ!
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