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半導体製造装置メーカーの仕事内容は?【入社5年の僕が解説】

半導体製造装置メーカーの仕事内容は?【入社4年目の僕が解説】半導体製造装置
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「就職・転職活動で半導体業界に興味を持ったけど、どういう仕事をするのか全然イメージできない」

「半導体製造装置ってそもそも何?」

「具体的な仕事内容や働き方が知りたい」

「実際に製造装置メーカーで働いている人の話が聞きたい」

このような疑問にお答えします。

こんにちは。機械設計エンジニアのはくです。

2019年に機械系の大学院を卒業し、現在は半導体製造装置メーカーで機械設計エンジニアとして働いています。

今回は、そんな僕が働く「半導体製造装置メーカーの仕事内容」についてお伝えします。

この記事を読むとわかること。

  • 半導体業界についてわかる
  • 半導体製造装置とは何かがわかる
  • 半導体製造装置メーカーの仕事内容がわかる
  • 具体的な働き方(勤務地・残業・給料など)がわかる
  • 半導体製造装置メーカーに就職・転職する方法がわかる

「半導体製造装置」と聞いても、具体的な仕事内容や働き方はイメージできない人がほとんどだと思います。

実際、僕は新卒で大手の半導体製造装置メーカーに就職しましたが、入社するまで自分がどんな仕事をするのかよくわかっていませんでした。

この記事にたどり着いた方も、そんな僕のように「就職・転職活動で半導体製造装置メーカーを知ったけど、どういう仕事をするのかよくわからない」という方ではないでしょうか。

そこで本記事では、実際に半導体製造装置メーカーで機械設計エンジニアとして働く僕が、仕事内容や働き方を具体的に紹介します。

残業時間や給料についてもお話するので、半導体製造装置メーカーへの就職・転職を考えている方の参考になれば幸いです。

半導体製造装置とは

半導体製造装置とは

半導体製造装置について詳しく説明すると、本1冊分の内容になってしまうので、ここでは初心者の方にもわかるよう簡単に。

結論から言うと、「半導体」という電子部品を作るための装置が半導体製造装置です。

半導体とは、パソコンのメモリやCPU、カメラについているセンサーのことで、身の回りの様々な電子機器や家電に使われています。

こちらも詳しく説明すると、本1冊じゃ足りないくらい濃い内容。

僕自身も完全には理解できていないので、簡単にスマホやパソコンに使われる電子部品と覚えておいてください。

半導体は、シリコンウェーハと呼ばれる薄い板の上に電子回路を形成して作られます。

この回路は非常に複雑で細いため、高度な技術・機能を搭載した専用装置が必要。

そこで、僕たちが設計する半導体製造装置が使われているのです。

インテルやサムスン、キオクシア(旧東芝メモリ)といった半導体メーカーは、半導体製造装置メーカーから装置を購入して、半導体を製造しています。

また、半導体メーカーの上流には、アップルやソニーといった電子機器を製造するメーカーが存在しています。

半導体メーカーと半導体製造装置メーカーの違い

半導体メーカーと半導体製造装置メーカーの違い

ここまでの説明を読んで、「半導体製造装置メーカーが半導体も作ればいいんじゃないの?」と思った方もいるかもしれません。

しかしながら、半導体の設計と製造装置の設計は別物。

装置をつくれるからといって、半導体もつくれるというわけではありません。

たとえば、ピザの職人がピザ窯や他の調理器具まで作れるかというと、そうではありませんよね。

ピザ窯を作るのはまた別の職人ですし、ピザカッターやピザピール(ピザを窯に入れる時に使う道具)も専門の業者が作ります。

ピザ職人は、こうした調理器具をいろんなメーカーから買ってきたうえで、独自のレシピや職人の技を使って美味しいピザを作るのです。

半導体も同じで、装置が作れるからといって、半導体そのものを作れるというわけではありません。

半導体は1つの工程で完成するわけではなく、複数の装置を使って様々な工程を何度も繰り返して最終的な製品になります。

また、各工程では、半導体メーカーが独自の技術やノウハウを駆使して製造プロセスを構築しています。

したがって、半導体メーカーは複数の装置メーカーから装置を購入してきたうえで、独自の技術を使って半導体を設計・製造しているのです。

ちなみに、高性能な半導体を製造するためには、製造装置にも高い技術力が求められます。

逆に言うと、僕たちがつくる装置がなければ、半導体メーカーは半導体をつくることができないのです。

半導体製造装置メーカーの仕事内容

半導体製造装置メーカーの仕事内容

半導体業界や製造装置についてわかったところで、具体的に僕たち半導体製造装置メーカーの仕事内容を説明していきます。

半導体製造装置メーカーの仕事は、職種別に以下の8つに大きく分けられます。

  • メカ設計
  • エレキ設計
  • ソフト設計
  • プロセス開発
  • フィールドエンジニア
  • 製造
  • 営業
  • 管理間接

メカエンジニア

半導体製造装置に限らず、世の中にある多くの機械はまずモノがあって、電気を動力として、プログラムにしたがって動きます。

ここで、目に見えるモノを設計するのがメカエンジニア、電気の回路や基板を設計するのがエレキエンジニア、プログラムを設計するのがソフトエンジニアです。

半導体製造装置は非常に大型で、駆動系や真空装置、ガス、ヒーター、水冷機構など様々なユニットで構成されています。

したがって、製造装置メーカーのメカエンジニアには、幅広い分野の知識が求められます。

エレキエンジニア

さきほど言ったように、エレキエンジニアの仕事は装置で使う基板や回路設計です。

半導体製造装置には、さまざまな電子機器が搭載されているので、そうした機器の設計を担当します。

ソフトエンジニア

パソコンやスマホと同じように、製造装置はプログラムで動きます。

したがって、C言語のようなプログラミング言語を使って制御や通信ソフトを設計するのが、ソフトエンジニアの仕事です。

プロセスエンジニア

プロセスエンジニアは、半導体製造装置メーカー特有の職種。

半導体製造装置では、特殊なガスや薬品を使ってウェーハを処理します。

そこで、どういう種類の化学成分をどういう条件で反応させれば、目的の結果を得られるかを考えるのがプロセスエンジニアの仕事。

大学の学部で言うと化学系の人が多いです。

フィールドエンジニア

フィールドエンジニアは、お客様のところへ出荷された装置の保守・メンテナンスをする仕事です。

普通の家電製品と違って、半導体製造装置は特殊な機器や薬品を使うので、専門知識や経験が求められます。

また、客先での改造・メンテナンス作業になるので、国内外問わず出張や駐在が多いのも特徴です。

製造

製造は、エンジニアが設計した装置の組立・検査を行う仕事です。

こちらもフィールドエンジニアと同様、経験や専門知識が求められます。

また、半導体製造装置は組み立てて出荷したら終わりではなく、客先で装置を使える状態にする調整作業も必要。

したがって、客先への出張も多くなります。

営業

営業は、簡単に言うと、装置を半導体メーカーへ売る仕事です。

一般的なメーカーの営業と違うのは、装置や半導体プロセスに関する技術的な知識が求められること。

半導体製造装置は、機能が複雑ですし、特殊なガスや薬品を扱います。

各分野のエンジニアは専門知識を駆使して装置を設計しますが、それを説明する営業にもエンジニアと同等の知識が必要です。

また、半導体メーカーの多くは海外の企業なので、グローバルに活躍できる英語力が求められます。

海外出張や駐在の機会も多いのも特徴です。

管理間接

管理間接部門は、人事や総務、経理、生産管理、資材・調達などの部署です。

基本的な仕事内容は、一般的な会社と同じ。

たとえば、人事部なら新入社員の採用活動を行ったりします。

また、製造装置は特殊な材料や部品を扱うことも多いので、資材・調達部門の方は、材料や加工方法の専門知識が必要だったりします。

半導体製造装置メーカーの働き方

半導体製造装置メーカーの働き方

つづいて、半導体製造装置メーカーの働き方をQ&A形式で紹介していきます。

質問と回答は、随時更新していく予定。

「これも教えてほしい」などあれば、記事にコメントしていただくか、僕のTwitterInstagramにコメントいただければ回答しますm(_ _)m

勤務地はどこ?

職種によりますが、地方勤務になることが多いです。

半導体製造装置メーカーは、本社を東京、工場・開発拠点を地方に構えるのが一般的。

たとえば、最大手の東京エレクトロンは、本社が東京の赤坂、工場が岩手、宮城、山梨、熊本です。

基本的に、エンジニアや製造は工場勤務、営業や一部の管理間接部門は本社勤務になります。

出張や転勤、駐在はある?

エンジニアや営業なら、出張の機会はかなり多いと言えます。

半導体製造装置は、装置を出荷した後のサポートが必要なのも特徴。

そのため、エンジニアは、出荷時だけでなく、保守やメンテナンス、トラブルシューティングで定期的に客先へ出張します。

半導体メーカー(インテルやサムスン、TSMCなど)は海外の企業が多いので、海外出張・駐在の機会も多いです。

また、装置を設計する段階でも、国内外のサプライヤー(装置の部品や材料を供給してくれるメーカー)へ出張したりします。

残業時間はどれくらい?

製造装置メーカーの残業時間は比較的多め。

部署や職種にもよりますが、平均で月30〜70時間くらいのイメージです。

基本的には、管理間接部門は残業少なめ、エンジニアや営業は残業時間が多めの傾向になります。

企業の採用ページだと「月平均20〜30時間」とか書いてありますが、あまり当てにならないかと。。

休日出勤はある?

頻繁ではないですが、あります。

半導体業界は、全体としても忙しい業界です。

納期が厳しい場合は、休日出勤をして対応することもあります。

給料は高いの?

忙しい分、給料は高め。

たとえば、2021年の平均年収ランキングでも、11位レーザーテック(1,310万円)、20位東京エレクトロン(1,179万円)、57位アドバンテスト(980万円)、64位ディスコ(965万円)と、トップ100に日本の半導体製造装置メーカーが4社もランクインしています。

僕みたいに若手でも結構な金額をもらえるので、年収を重視する人にはおすすめの業界かなと(その分、仕事は大変ですが。。)

男女比はどれくらい?

会社全体としては、「7:3」もしくは「8:2」くらいで男性が多いです。

エンジニアに限って言うと、「9.5:0.5」くらいで男性。女性はかなり少ないです。

もちろん、女性は働けないというわけではありません。

半導体製造装置って、なんとなく難しい印象を受けるので、必然的に女性が少なくなるのかなと。

僕の職場では、女性でエンジニアとして活躍している先輩もいらっしゃいます。

半導体製造装置メーカーに就職する方法

半導体製造装置メーカーに就職する方法

さいごに、半導体製造装置メーカーに就職する方法として、採用方法必要な経験・スキルを解説します。

半導体製造装置メーカーの仕事に応募する方法

新卒なら就活サイトから応募すればOK。

大学生は、就職活動になるといろんな就活サイトに登録するかと思いますが、僕の経験ではどこのサイトを使っても大差ない印象です。

半導体製造装置メーカーに限って言えば、「こっちのサイトを使った方が採用されやすい」とかはありません。

マイナビとリクナビが最大手なので、この2社を登録しておけばOKかなと。

中途採用は、転職サイトや転職エージェントを利用する方法と、知り合いの社員に紹介してもらう方法があります。

転職サイト・エージェントについては新卒採用と同様ですが、製造装置メーカーで働いている知り合いがいれば、その人に紹介してもらうこともできます。

この記事を書いている2022年現在、半導体製造装置業界はかなり業績が良く、人手不足です。

僕の会社でも、定期的に中途採用募集の連絡が回ってくるので、知り合いが半導体製造装置メーカーで働いてれば、その人に紹介してもらうのが手っ取り早いかと。

具体的な仕事内容や職場環境がわかりますし、採用までのフローもスムーズに進みます。

半導体製造装置メーカーの仕事に必要な経験・スキル

新卒はポテンシャル(入社してからの成長度)を重視しているので、未経験でも応募可能です。

学部が機械系ならメカエンジニア、情報系ならソフトエンジニア、文系なら管理間接部門に応募する場合が多いですが、やりたい仕事があれば他の職種に応募することもできます。

僕の職場でも、機械系でソフトエンジニアになった人や、理系で営業になった人もいます。

もちろん、スキルや学歴があった方が採用されやすいので、たとえば大学で半導体関連の研究をしている人なんかは、かなり採用確率が高いかと思います。

中途採用の場合は、基本的に未経験はNGです。

大体、応募する職種での業務経験3年以上とかが求められます。

たとえば、「自動車メーカーで機械設計を5年やっていた」という人なら、メカエンジニアに応募するといったイメージ。

追加で半導体の知識や、装置で使う機器(真空計、ポンプ、ヒーター、ガス、材料など)の知識があると、採用されやすいと思います。

まとめ:半導体製造装置メーカーの仕事は面白い

半導体製造装置メーカーの仕事内容は?【入社4年目の僕が解説】

記事の内容をまとめます。

  • 半導体を作るための機械が半導体製造装置
  • 半導体メーカーに装置を売るのが半導体製造装置メーカーの仕事
  • 半導体製造装置メーカーの職種は、メカ設計・エレキ設計・ソフト設計・プロセス開発・フィールドエンジニア・製造・営業・管理間接の8つ
  • 営業と一部の管理間接部門は本社勤務、それ以外の職種は地方の工場勤務になることが多い
  • エンジニアや営業は海外出張・駐在の機会も多い
  • 半導体製造装置メーカーの残業時間は多め(月平均30〜70時間くらい)
  • 半導体製造装置メーカーの年収は高め(1,000万円以上も可能)
  • 半導体製造装置メーカーに就職する方法は、就活・転職サイトを利用する方法と、知り合いの社員に紹介してもらう方法の2つ
  • 新卒なら未経験でも応募できるが、中途採用は応募する職種で3年以上の経験が必要
  • 半導体の知識や、装置で使う機器(真空計、ポンプ、ヒーター、ガス、材料など)の知識があると採用されやすい

以上です。

半導体製造装置メーカーは、一般的にはあまり知られていない仕事。

僕自身、入社して3年が経過しましたが、未だに日々勉強することが多いです。

とはいえ、隠れ高年収企業であり、高い技術力が求められる仕事でもあるので、年収アップ・スキルアップしたい方にはおすすめの業界かなと。

具体的な仕事内容や働き方は知られていない部分が多いので、本記事が半導体製造装置メーカーへの就職・転職を考えている方の参考になれば幸いです!

半導体業界の転職におすすめのエージェント

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