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バルブ選定の手順と考え方【5ステップでわかる選び方】

バルブ選定の手順と考え方【5ステップでわかる選び方】バルブ
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「バルブの選定方法がわからない…」

「種類によって用途が違うみたいだけど、具体的にどうやって選べばいいの?」

「目的に合わせて適切なバルブを選定できるようになりたい」

このような疑問を解決します。

こんにちは。機械設計エンジニアのはくです。

2019年に機械系の大学院を卒業し、現在はメーカーで機械設計エンジニアとして働いています。

本記事では、配管設計をするうえで必須となる「バルブ選定の手順と考え方」を紹介します。

この記事を読むとわかること。

  • バルブの種類と特徴がわかる
  • 用途に応じて適切なバルブを選定できるようになる

水やガスのような「流体」を扱う機械で必ず使うバルブ。

構造や材質によって様々な種類があるため、どれを選定したらいいかわからないという方も多いですよね。

用途に合わないバルブを選定してしまうと、最悪の場合、有毒なガスが漏れて重大事故につながる可能性も。

そこで今回は、そんなバルブ選定の手順を5ステップでわかりやすく解説します。

バルブの選び方で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

バルブの選定手順5ステップ

バルブ選定の手順と考え方【5ステップでわかる選び方】

バルブ選定に影響する要素としては、以下のようなものが挙げられます。

バルブを選ぶ際はこれらの要素を考慮して、最適な種類のバルブを選定することが大切です。

  • 使用目的
  • 流体の種類
  • バルブ材質
  • 温度
  • 圧力
  • 配管サイズ
  • 接続方式
  • 価格(Cost)
  • 納期(Delivery)

ステップ1:使用目的で選ぶ

バルブは使用目的によって、2種類に大きくわかれます。

1つは流体を「流す・止める」役割のバルブ(止め弁)。

もう1つは流量を「調整する」役割のバルブ(絞り弁)です。

したがって、まずはバルブをどのような用途で使いたいのかによって、止め弁か絞り弁かを選ぶ必要があります。

たとえば、設備の冷却水のように水を「流す・止める」機能だけでいい場合は止め弁を、半導体製造装置のようにガスの流量を精密にコントロールしたい場合は「絞り弁」を選定する、といった感じです。

止め弁と絞り弁は、バルブの種類によって異なります。

また、同じ止め弁でも種類によって構造や特徴が異なるので、このあと説明する使用条件に応じて最適なバルブを選定する必要があります。

ステップ2:使用条件で選ぶ

バルブの使用条件とは、流体の種類や温度、圧力、そしてバルブの環境温度のことです。

そしてこれらの要素は、バルブ本体やシートの材質に影響します。

たとえば流体の種類なら、液体か気体か、腐食性はあるか、、などです。

簡単な例をあげると、水の場合は錆びないようにバルブ内面をコーティングしたり、防錆効果の高いステンレスを用いたりします。

半導体製造装置のように特殊なガスを流す場合は、ガス種に合わせて耐食仕様のバルブを選定する必要があるでしょう。

また、一般的に金属材料は、高温になるほど強度が低下します。

したがって、流体の温度が高温の場合は、高強度の材質を選定したり、使用圧力を低下させる必要があります。

さらにバルブは、ボディ(流体が流れる部分)とアクチュエータ(バルブの開閉動作を行う部分)で、耐熱温度が異なる場合が多いです。

一般的には、ボティの方が耐熱が高く、アクチュエータは耐熱が低くなりますので、バルブを使用する環境温度がアクチュエータの耐熱を超えないよう注意する必要があります。

ステップ3:必要流量で選ぶ

流体がバルブを通過すると、バルブの前後で圧力が低下する「圧力損失」が発生します。

圧力損失が大きいと、必要な流量が確保できなくなってしまうため、バルブ選定時は注意が必要。

流量は、Cv値という係数を使って計算でき、バルブメーカーの計算ツールが使えます。

Cv値計算・流量計算ツール(フジキン)

https://www.fujikin.co.jp/support/calculator/

新規で配管を設計する場合は、必要な流量や圧力から適切なCv値のバルブを選定する必要があります。

ただし、Cv値の計算は複雑なので、社内の他の製品や装置で使っているバルブのCv値を流用することも多いです。

Cv値とは

バルブの流体の流れやすさを表す係数のこと。
Cv値が大きいほど、流体が流れやすい(流量が多い)。

ステップ4:接続方式で選ぶ

接続方式で重要になるのが、配管径と継手の種類です。

配管径は、ミリメートル[mm]単位のA呼びと、インチ[in]単位のB呼びがあります。

基本的には、接続する配管径に合わせて、バルブのサイズを選定すればOKです。

また、バルブの接続方法には、ねじ込み継手、フランジ継手、メカニカルグリップ継手、メタルガスケット継手などの種類があります。

よく用いられるのがねじ込み形とフランジ形で、こちらも配管に合わせて選定します。

ステップ5:価格と納期で選ぶ

ここまでの説明でバルブを選定したら、さいごに価格と納期を検討します。

バルブに限らず、機械設計における部品・材料選定では、性能(Quality)・価格(Cost)・納期(Delivery)の3つが重要視されます。

たとえば、いくら性能の良い部品でも、予算よりも大幅にコストアップしてしまったり、納期が何年もかかるようなものでは意味がありませんよね。

機械設計では、要求仕様を満たしつつ、価格が安い・納期が短い部品を選ぶことが大切です。

したがって、バルブにおいても同様で、使用目的や条件から種類を決定したら、価格と納期を検討します。

一般的に、特殊仕様の場合は価格が高く納期も長くなる場合が多いので、基本的には標準品・汎用品が使えないかをまず検討します。

価格が高いけどどうしてもこの仕様が必要といった場合には、ロット(購入数)を増やして1個あたりの価格を下げるといった対策が必要です。

(ここら辺は機械設計エンジニアというよりも、資材・購買・調達部門の仕事になりますが、、)

まとめ:用途に応じて適切なバルブを選定しよう!

まとめ:用途に応じて適切なバルブを選定しよう!

以上、バルブ選定の手順と考え方を、5つのステップで紹介しました。

バルブに限らず、用途に応じて適切な機械要素・部品を選定できることは、機械設計エンジニアに必須のスキル。

バルブの選定方法で困っているという方は、ぜひ今回の内容を参考にしてください。

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