「機械設計エンジニアって未経験でもなれるの?」
「会社選びはどうすればいい?」
「転職までにやっておくべきことがあれば知りたい」
このような疑問を解決します。
結論として、未経験でも機械設計士として働くことは可能です。
本記事では、現役の機械設計エンジニアとして働く僕が「機械設計は未経験でもできる理由」をお話します。
また記事の後半では、会社選びのポイントや、転職するまでにやっておくべきことも紹介しています。
未経験で機械設計エンジニアへの転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
※マイナビのプロモーションを含みます。
機械設計への転職は未経験でも大丈夫
機械設計の仕事が未経験でも大丈夫な理由は1つ。
大学や専門学校で習う知識よりも、実際に仕事で経験しながら覚えていくことの方が圧倒的に多いことです。
大学の機械工学科に入学すると、4大力学と言われる材料力学・熱力学・流体力学・機械力学を中心に勉強します。
この4大力学は、機械設計の仕事に必須の知識です。
たとえば、製品の強度計算をする場合は材料力学の知識を使いますし、空気の流れを計算する場合は流体力学の知識を使います。
しかしながら、実際の仕事では、大学で習った知識がそのまま使えることは少なく、状況に応じてどれを使うかを、自分の頭で考えなければなりません。
また、4大力学以外にも、ネジや軸受の選定で使う機械要素の知識、材質の選定で使う材料の知識、機械加工の知識、図面の描き方、CADの操作、、、など。
機械設計として就職すると、勉強しなければいけないことはたくさんあります。
もちろん、一部は大学でも勉強しますが、正直に言うと「仕事で使えるレベル」ではないです。
実際は仕事をしながら勉強していくことになるので、未経験でもあまり大差はないというのが、僕の意見。
もちろん、基礎知識の勉強は必要なので、未経験だと最初の方は少し大変かもしれません。
転職時の会社選びのポイント
機械設計として就職・転職をする場合は、「何を設計するか」で会社を選ぶことになります。
これは、「製品」の設計と、「製造装置」の設計の2つに大きくわかれます。
製造装置とは、製品を製造するための機械のことです。
製品メーカーで働く
製品メーカーには、トヨタやホンダといった自動車メーカー、パナソニックやソニーといった電機メーカーなどが含まれます。
自社で製品を設計・販売している会社で、いわゆるB to Cのメーカーが多いです。
製品メーカーに就職すると、1つの製品に特化して設計することになるので、専門性の高い設計士になることができます。
また、お客さんやユーザーに近い商品を設計・開発できるため、やりがいも大きいです。
多くの人に自分が設計した商品を使ってほしいと考えるなら、製品メーカーが向いています。
“Business to Consumer”の略。
モノやサービスを、企業(Business)が個人・消費者(Consumer)に提供するビジネスモデルのこと。
関連語句として「B to B(Business to Business)」や、「C to C(Consumer to Consumer)がある。
B to Bは商社のような企業間のビジネスのやり取り、C to Cはメルカリのような個人間のビジネスのやり取りを指す。
製造装置メーカーで働く
製造装置メーカーとは、製品を製造するための装置をつくっている会社です。
僕の働いている会社も、この製造装置メーカーで、半導体という電子機器を製造するための装置を設計・開発しています。
製造装置メーカーでは、基本的に規模の大きいモノを設計するため、様々な機器や技術の知識に触れることができます。
「車のボディだけを担当する」といった感じではなく、この装置では配管設計を担当、次の装置では駆動部分の設計を担当というように、いろんな機構の設計を経験できます。
様々な機器の知識や技術を身につけたいと考えているなら、製造装置メーカーがおすすめです。
番外編:派遣・請負社員として働く
機械設計に転職するなら、派遣や請負社員として働くのも1つ。
「派遣」や「請負」と聞くと、ネガティブな印象を持つ方もいるかもしれませんが、純粋に設計の仕事だけをしたいなら、こういった選択肢もアリです。
機械設計の正社員として入社すると、設計以外の業務もたくさん回ってきます。
たとえば、資材・調達部門とのスケジュール管理や予算管理、プロジェクト全体の運営、製品の不具合対応など。
とくに、昇進して偉くなればなるほど、設計以外のマネージメント業務が中心になり、責任も大きくなります。
したがって、純粋に設計だけをしたいなら、派遣や請負社員として働いた方が希望通りの仕事をできる可能性が高いです。
もちろん、正社員より給料は下がるかもしれませんが、「自由」や「やりがい」を重視するなら、派遣や請負として働くのもおすすめ。
※マイナビのプロモーションを含みます。
機械設計へ転職するまでにやっておくべきこと3つ
さいごに、未経験で機械設計をやる場合、転職するまでにやっておくべきことを3つ紹介します。
この3つをやっておくと、入社後の業務理解もスムーズになるので、ぜひ実践してみてください。
機械設計という仕事について知る
1つ目は、機械設計という仕事についての理解です。
漠然と「設計の仕事」という理解だと、転職してから「思ってたのと違う…」と後悔する可能性があります。
僕たち機械設計エンジニアの仕事は、「1構想設計→2基本設計→3デザインレビュー→4詳細設計→5検証・評価」という流れで進みます。
簡単に説明すると、お客さんとの打ち合わせから始まって、製品のコンセプト決め、設計、レビュー、実機検証という流れです。
実際の仕事はただCADを使って設計をするだけではないので、転職する前にきちんと仕事内容を理解しておく必要があります
詳しくは下記記事で解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
4大力学の基礎を勉強する
2つ目は、4大力学(材料力学・熱力学・流体力学・機械力学)の勉強をすること。
試験勉強とまではいきませんが、基礎知識だけでも勉強しておくと、スムーズに業務に入れます。
CADの操作と製図を勉強する
3つ目は、CADの操作方法と製図について勉強すること。
CADは機械設計に必須のツールですので、入社前に操作に慣れておくと、スムーズに業務に入れます。
CADの操作が速い人と遅い人では、仕事のスピードにかなり差がでます。
僕の会社でも、年配社員の中にはCADが使えない人もいますので、CADを扱えるようになっておくと重宝されるでしょう。
また、合わせて製図のルールについても勉強しておくとより効果的です。
設計の仕事では、図面(部品を加工するための設計図)の描き方に細かいルールが決められています。
まずは図面が描けないと仕事にならないので、入社前に基礎だけでも身につけておきましょう。
ちなみに、入社後は簡単なパーツの設計から担当することになると思います。
CADと製図を事前に勉強しておくと、入社後のスタートがかなり楽になるはずです。
まとめ:未経験から機械設計エンジニアになろう
記事の内容をまとめます。
- 機械設計は未経験でもなれる
- 大学で習う知識よりも、仕事をしながら経験していくことの方が多い
- 機械設計の会社選びは、製品メーカーと製造装置メーカーの2つにわかれる
- 純粋に設計業務だけをしたいなら、派遣や請負社員として働くのもアリ
- 転職するまでに、4大力学やCADの操作、製図について勉強しておくのがおすすめ
以上です。
機械設計の仕事は、未経験でも転職可能です。
4大力学や製図の基礎を勉強しておけば、後は仕事をしながら覚えていくことになります。
とはいえ、実際に仕事をしてみると、大変なことが多いのも事実。
このブログでは、僕が機械設計の仕事で学んだことを発信しています。
これから機械設計の仕事を始める方の、お役に立てればうれしいです。
コメント