「設計士として就職したけど、CADオペレーターとの違いがよくわからない」
「設計士からCADオペレーターになろうと思っている」
「CADオペレーターから設計士になりたい」
このような悩みや疑問を持っている方向けの記事です。
本記事では、現役の機械設計士である僕が「CADオペレーターと設計士の違い」を解説します。
それぞれの職種の仕事内容から必要なスキル、向いている人の特徴を、僕の経験にもとづいてわかりやすく解説しています。
「これからCADオペレーター・設計士になりたい」と思っている方は、ぜひ参考にしてください。
CADオペレーターとは

CADオペレーターの仕事は、ズバリCADを使って図面(設計図)を描くことです。
CADとはComputer Aided Designの略で、簡単に言うと「コンプピューター上で3Dモデルや設計図を作成できるツール」のこと。
CADオペレーターは、設計士が設計した製品やパーツを、CADを使って図面化します。
実際の製品やパーツは、CADオペレーターが作成した図面をもとに製造・組立されるので、製造業に欠かせない職業です。
とはいえ、設計士自身もCADを使いますし、CADオペレーターの業務を設計士が行っている会社もあります。
そのため、CADオペレーターと設計士の違いがわかりにくいという人も多いですよね。
次の章では、「CADオペレーターと設計士の違い」を具体的に解説していきます。
CADオペレーターと設計士の違い

機械設計の仕事は、つぎの6つの手順で進んでいきます。
- 構想設計
- 基本設計
- デザインレビュー(DR)
- 出図(バラシ)
- 組立・検証
- 評価
CADオペレーターと設計士の違いは、上記6つの作業のどこを担当するかです。
設計士は1〜6のすべてを担当しますが、CADオペレーターは4の出図がメイン業務。
簡単に説明すると、設計士はまず製品のコンセプトを決めます(1.構想設計)。
そして、詳細部分の設計(2.基本設計)、設計内容の報告(3.デザインレビュー)と進み、設計に問題がなければ図面の作成(4.出図)に入ります。
この図面の作成こそが、CADオペレーターの担当業務です。
設計士が決めた部品の寸法や材質、加工方法などの情報を、図面上に記載していきます。
「設計士が作成した3Dモデルを2Dの図面にする」と考えると、わかりやすいかもしれません。
CADオペレーターに必要なスキル

CADオペレーターに必要なスキルは、CADの操作方法と製図の知識です。
CADのソフトはいくつか種類があり、会社によって使っているソフトが違います。
したがって、CADオペレーターとして働くためには、まずその会社が使っているCADソフトの使い方を覚えなければいけません。
といっても、操作方法はそこまで難しくないので、若い人ならすぐに慣れると思います。
より重要なのは、製図の知識です。
図面は、わかればOKというわけではなく、JIS(日本工業規格)にもとづいてルールが決められています。
そのため、正しい図面を描くためには、JISの製図ルールを覚える必要があります。
また、部品の製造は専門の加工業者さんに依頼することが多いです。
したがって、設計者や加工業者など、誰が見てもわかりやすい図面を描くことが求められます。
「ルールにもとづいて見やすい図面を描ける人」が、優秀なCADオペレーターです。
CADオペレーターに向いている人

僕が機械設計の仕事をしていて思う、「CADオペレーターに向いている人の特徴」は、以下の3つです。
- コンピュータに苦手意識がない人
- 淡々と業務をこなせる人
- 相手のことを思いやれる人
CADオペレーターになるなら、コンピュータに苦手意識がないことが大前提です。
CADの操作はそこまで難しくありませんが、「今までパソコンを触ったことがない」という人だと苦戦するかもしれません。
また、図面を描く仕事は、どちらかというと1人で黙々と進められる作業です。
CADの使い方や製図のルールを覚えてしまえば、特に考えなくても仕事ができるようになります。
そのため、わからないところは自分で調べるなどして、1人で淡々と業務をこなせる人が向いていると思います。
僕自身、周りを巻き込みながら仕事をするのが苦手なので、図面を描く作業は割と好きです。
さらに、図面は設計者や加工業者などいろんな人が見るので、読み手のことを考えられるCADオペレーターが重宝されます。
「寸法はここに配置した方が見やすい」「ここは断面図にするとわかりやすい」など、相手のことを考えてちょっとした手間を惜しまない人は、CADオペレーターに向いているでしょう。
設計士に向いている人

反対に、設計士に向いているのは下記の人です。
- 製品をイチから設計したい人
- ものづくりが好きな人
- コミュニケーション力がある人
設計の仕事は、自分の考えたアイデアを形にできるやりがいのある仕事です。
その反面、勉強することも多く大変な仕事であるともいえます。
CADの操作や製図の知識はもちろん、熱力学や機械力学といった4大力学の知識、機械加工の知識、材料の知識など、覚えることが非常に多いです。
他の職種と比べて残業も多めなので、根底に「ものづくりが好き」という気持ちがないと続きません。
また、チーム内や関連部署、サプライヤー、お客さんなどとのコミュニケーションも多く発生します。
そのため、周りを巻き込んで仕事をできる人は、設計士に向いているといえます。
とはいえ、人見知りでコミュ障の僕でも設計士として働けているので、あくまで目安として考えてください。
まとめ:CADオペレーターは「思いやり」が大事

記事のポイントをまとめます。
- CADオペレーターの仕事はCADを使って図面を描くこと
- CADとはコンピュータ上で3Dモデルや図面を作成できるツールのこと
- 設計の全工程を担当するのが設計士
- 設計業務の中の図面作成を担当するのがCADオペレーター
- CADオペレーターに必要なスキルはCADの操作方法と製図の知識
- 読み手がわかりやすい図面を描ける人はCADオペレーターに向いている
以上です。
「誰が見てもわかりやすい図面を描けること」が、良いCADオペレーターの条件です。
あなたが読み手のことを思いやれる人なら、優秀なCADオペレーターになれますよ!
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