よくネットを見ていると、こんな文章を見かけます。
「ものづくりが好きな人にとって、機械設計はやりがいのある仕事です」
これに対して、現役メカエンジニアである僕の考えをご紹介します。
機械設計のやりがいは、ズバリ「設計」
機械設計のやりがいは、やはり「設計」です。
自動車だったり、電化製品だったり、産業機械だったり、会社によって設計するモノは違いますが、自分の考えを、目に見える製品としてカタチにできるのが機械設計の醍醐味です。
もちろん、実際は部署やチームで1つの製品をつくり上げるわけですが、自分の担当する部位に関してはある程度自由に設計できます。
要求仕様があり、それを実現するためにどういう機構にすればいいか考えながら設計していく過程が、機械設計のやりがいの1つではないかと思います。
しかしながら、要求仕様を満たす設計をするためには、当然多くの知識が必要になります。
どの材料を使うか、ネジはどれを選定するか、強度は十分か、耐熱性は大丈夫か、、、など。
大学で勉強する4大力学(材料力学・熱力学・流体力学・機械力学)はもちろん、機械加工や機械要素、材料、製図など、あらゆる知識を駆使しながら設計していきます。
したがって、「設計の仕事って楽しい」という感情よりも、「覚えなきゃいけないこと多すぎ」というのが機械設計2年目である僕の正直な感想です。
機械設計エンジニアに向いていると感じる人
ここからは、現役の設計士である僕が感じる「機械設計エンジニアに向いている人の特徴」をご紹介します。
「機械設計をやってみたい」と考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
ものづくりに興味がある人
1つ目は、ものづくりに興味がある人です。
LINEやメルカリのような「サービス」を作りたいという人ではなく、目に見える「モノ」を作りたいという人は、機械設計に向いています。
製品を売るのは営業やマーケティングの仕事ですが、設計の仕事はお客さんの要求を満たす製品をつくり上げることです。
したがって、「こうすれば会社の売上が上がる」とかを提案したい人は、機械設計には向いていません。
機械系の勉強に抵抗がない人
2つ目は、機械設計に必要な知識や技術を勉強するのに抵抗がない人。
さきほど言ったように、機械設計は覚えなければならないことがめちゃくちゃ多いです。
ネジや歯車、ベアリングなどの機械要素の知識から、材料や加工方法の知識まで。
機械に関するさまざまな知識を勉強することになるので、こういった分野に抵抗がある人だと、機械設計の仕事はかなり苦痛に感じてしまいます。
「ネジや歯車が好き」とまではいかなくても、仕事のために機械系の技術を勉強できる人が向いているでしょう。
細かい部分までこだわれる人
3つ目は、細かい部分まで妥協せずに設計できる人です。
設計の仕事では、「もしも」の事態に備えた設計をしなければならないことがあります。
たとえば、「こういう使い方をするかもしれないから、ここの構造を変えたい」といった感じ。
したがって、「そんな使い方する人いないから、これでいいじゃん」と思う人よりも、細かい部分までこだわって設計できる人の方が、機械設計には向いています。
僕自身、あまり細かい部分まで気を使える方ではないので、設計していて「ここまでする必要あるかな」と思ってしまうことが多々あります…。
機械設計はやりがいのある仕事だけど、勉強しなければいけないことも多い
記事のポイントをまとめます。
- 機械設計のやりがいは、自分の考えを目に見える製品としてカタチにできること
- 要求仕様を満たす設計をするためには、多くの知識やスキルが必要
- サービスよりも、目に見えるモノを作りたい人は、機械設計に向いている
- 機械系の技術や知識を勉強するのに抵抗がない人は、機械設計に向いている
- 細かい部分までこだわって設計できる人は、機械設計に向いている
以上です。
機械設計は大変なことも多い仕事です。
僕自身、入社1年目に一度挫折して、他の仕事に転職しようと考えた時期があります。
しかしながら、自分で自由に設計できるので、ものづくりが好きな人にはやりがいの感じられる仕事でもあります。
今回の記事を読んでみて、「機械設計に向いているかも」と思った方は、ぜひ挑戦してみてください!
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